fc2ブログ

    『反朱子学者』、貝原益軒の『和俗童子訓』 美人の運命学的考察                                  凡そ女は、かたちより、心のまされるこそ、めでたかるぺけれ

    Category : 絶家の家族関係
    大正池

    上高地・大正池





    つかの間の夏休み、上高地から帰ってきました。

    朝夕はともかく、昼間は都会と変わりなく31℃の太陽が照らし、

    日本は、亜熱帯の気候へ移っていくのだろうか? と思ったり、

    しかし、木陰は自然の風で涼しかったです。



    今日は、前回に予告しました通り、

    前々回にいただいたコメントの記事のつづきです。
     
    その流れから、”美人の運命学的考察”がテーマです。


    コメントをご紹介します。


    貝原益軒でしたか、

    女性(女児)に対する教育の方法を『和俗童子訓』に

    多く書いていましたが、その意味がわかったような気がします。





    そうですか、分かりましたか...貝原益軒が...。

    女性の教育は、ほんとうに一番大事なのです。

    女次第で、家も滅び、国も滅ぶという事が、現在忘れられています。



    (このフレーズをよく覚えていてくださいね、

                後々美人の話と係わってきます。)


    自分の命が芽生えてきた源からの文化の流れである、

    その先人の知恵を学んでいかないと、罰が当たりますね。



    貝原益軒について。

    そうそう、彼も、生涯の最後のほうでは、朱子学を批判しています!


    初めは、京都で学んで帰った朱子学を福岡藩で教えたり、

    『近思録備考』を著したりする朱子学者でしたが、

    京都で身に着けた経験的学風と、彼の性格が、

    書物だけにとらわれずに自分の手足や、目、口に出す事で

    確かめて納得していくという実証主義的であった為に、

    晩年は朱子学の観念性への疑問を持ち続けました。

    結果、朱子学への批判を体系的に述べた

    『大疑録(たいぎろく)』という本を著わしています。




    このように、

    江戸時代に、官学の朱子学を批判した人は、他にもいました。




    中江藤樹について。

    ついでに、陽明学派の祖と言われる中江藤樹のことを、書いておきます。

    彼も、初めは朱子学を信奉していました。

    しかし、朱子学の礼法を、

    意味のない事で人間の内面を萎縮させてしまうだけではないかと

    疑問を持ち、彼は彼なりの思想を考えます。

    『孝』を彼の思想の中心に据えました。

    晩年、陽明学に出会います。


    山鹿素行について。

    陽明学派と同じく朱子学派を批判したのに、

    古学派の山鹿素行がいます。

    古学派は、朱子や王陽明の注釈による中国の宋・明時代の新儒学

    (陽明学も入る)を批判して、

    元来の孔子・孟子の学問に帰ろうとした学派です。



    古儀学派の伊藤仁斎もそうです。


    古文辞学の祖と言われる荻生徂徠も、そうです。




    江戸中期に、

    このように朱子学の偏頗さに気づく学者が多く出ていました。


    朱子学が、徳川幕府の官学として権力側にあったにもかかわらず、

    これだけの学者が、当時朱子学に対して反論をし、

    権力におもねることなく書物を著していたという事はありがたい事です。

    しかし、いずれが正論にせよ、尊王、倒幕運動、明治維新は

    主知主義に堕した朱子学の理論で為した出来事です。

    この事については、

    それ以来まだ141年しか経っていないと言うべきか、

    もう141年も経っていると言うべきか、

    そのいずれかにしても、

    今、私達は、検証しなければならないのではないかと思っています。


    反朱子学者、朱子学者については、またいつか、

    次の機会に記事にしたいと思います。






    では、コメントの中で紹介されている貝原益軒の『和俗童子訓』。

    その中から、「女徳」について、

    いわゆる「美人」についての運命学的考察を、

    鑑定の経験等を織り交ぜながら紹介しましょう。



    冒頭の部分で、

    家や国も、女次第で滅ぶ、と書きました。


    しかし、現代は、

    【家】という概念は捨てられ、個人主義の世の中です。

    国が栄える、家が栄えると言った処で、ピンと来ないかもしれません。


    いかに個人の【私】が栄えるか?が、クローズアップされています。

    しかし、あえて言えば、

    これらは此処60年位の間の、私達の意識上の問題であるに過ぎず、

    無意識におけるそれらの重要性は、なんら変わっておりません。


    なぜか?


    運命というものは、

    命の継承に従って受け継がれていくものだからです。

    運命が顕現する場は、人と人との関係性の中、社会の中であり、

    その最小単位である家庭であり、家族の間なのです。


    特に、血縁関係において、それを継承する上において、

    運命は、遺伝をしていきます。


    これは、運命の約束事なのです。


    だから、法律で【家】の形を制度上、意識上、無くしたとしても、

    私達が、それが全く無いという前提の意識での振る舞いをしたとしても、

    命の継承の事実を、抹消できないかぎり、

    無意識の膨大な世界の中にある関係性までは消せないのです。


    これについては、又、後々、詳細を記事にする必要を感じていますが、

    今日は、この原則論だけに致しましょう。




    そういった、今現在の日本における【家】の事情は、ともかく、

    一旦、それは置いておいて、記事を進めていきます。






    女性の教育が大事である、という事です。

    女が乱れれば、男が乱れ、世も乱れます。


    これは、事実、目の前に具現化していく様相だろうと思います。



    女次第で、家も滅び、国も滅ぶという事が、現在忘れられています。



    あの~、つまり、美人の意味は、どうなのでしょう、、、?  


    あはは~!  ちょっと、待ってくださいね~




    それに関して貝原益軒の『和俗童子訓』には、次のようにあります。


    ★年に従ひて、まづ早く、女徳を教ゆべし。

    (女の子は成長に応じて、まず、第一に「女の徳分」を教えなさい)

    ★女徳とは女の心さまの正しくして、善なるを云。

    (「女の徳分」とは、心が正しくて、善良であるという事です)

    ★凡そ女は、かたちより、心のまされるこそ、めでたかるぺけれ。

    (女は、見目形よりも、心が正しく善良である事に値打ちがある)

    ★女徳をゑらばず、かたち(容)を本としてかしづくは、をにしへ今の世の、

    悪しき習はしなり。


    (女を、心の良し悪しで選ばないで、見目形で選ぶのは今風の悪い習慣だ)

    ★古のかしこき人はかたちのすぐれて見にくきいもきらはで、

    心ざまのすぐれたるをこそ、后妃にもかしづきそなへさせ給ひけれ。


    (昔の知恵のある人は、見目形ではなく、心が正しく善良で優れている女

    を皇帝の后とした)

    ★黄帝の妃ほ母(ほも)、斉の宣王の夫人無塩は、いづれも其かたち

    きはめてみにくかりしかど、

    女徳ありし故に、かしづき給ひ、君のたすけとなれりける。


    (昔の中国の黄帝や斎の宣王の后たちは、美人ではなく醜かったけれど、

    「女の徳分」が具わっていたおかげで后にもなれ、夫の帝を助けたのだ」

    ★周の幽王の后、褒じ、漢の成帝の后、ちょう飛燕、其妹、しょうしょうよ、

    唐の玄宗の楊貴妃など、其かたちはすぐれたれど、女徳なかりしかば、

    皆天下のわざはひとなり、其身をもたもたず。


    (その逆に、周の幽王や、漢の成帝や、唐の玄宗の后たちは、容貌は美し

    い女だったけれど、「女の徳分」が具わっていなかったので、夫の身と国を

    危機に落とし入れ、世の中に迷惑をかけ、人々を不幸にして、自分自身も

    最後まで栄える事ができなくて、その途中に命も亡びてしまった)




    いかがでしょうか? 

    お解りですね?

    唐の玄宗皇帝楊貴妃は、

    ”傾国の美女”(国を傾けた美女)で有名ですね。

    いかにも、楊貴妃だけが悪者で、

    玄宗皇帝が被害者のような言い方です。


    しかし、これを運命学的に正確に言い直せば、

    玄宗皇帝自身も、”傾国の皇帝”であったはずです。

    だから、傾国の美女に縁があったのでしょう。



    このように、美女というのは、その美しさだけが絶賛されないで、

    その裏に、なにか翳のような部分を感じさせます。


    当代の美人と思う女性は、芸能人で数えればいくらでもいます。

    有名人でなくても、身近にも増えてませんか?

    これから、増えて来ると思います。


    と、言うのは運命学的には、

    世がすさんで、

    破綻した家庭や、家族がそろっていないとか、両親に頼れないとか、

    子供の内からしっかりしないと生きられない環境に生まれるとか、

    極端な例では、

    母性愛のない母親や、離婚する両親の間に生まれるという過酷さの中で

    生き延びなければならない場合、

    そういうのを六親の興亡と言うのですが、

    六親が栄えていない、どこか寂しい環境、そういった環境に恵まれていな

    い命は、その恵まれない分、何か秀でた特徴を持って生まれて来ます。


    特に女性は美人に生まれて来るのが多いのです。


    その人の周りの人間関係が調和を失って、不幸であると言う反面、

    生きていくのに武器になる顔形を与えられている、

    運命学的には、そう考えられる部分があります。


    多くは女性なら美人、または男性よりも逞しく生まれるのです。


    もちろん!

    これもあらゆるグラデーションがありますから

    ワンパターンで片付けられるものではありませんが。






    そして、そういう美人の場合、

    多くは一度も結婚をせずに生きるか、又は結婚をしても

    自分が働かなければならない男性と一緒になり、

    子供は、欲しくても生まれない。

    又は、子供運に恵まれても、多くは女児だけを生み、

    その上離婚をしてその女児を育てながら働く、

    独身を通すというのが一つの運命の形です。


    いわゆる、後家運というものになります。


    そういう女性が、男児を生むというのは少なく、

    もしか生まれても、

    その子は成人後も男としての社会性が身に付き難く、

    うまく社会の中で生きて行き難い、

    栄えるという姿からは、程遠いという運命が顕現します。


    つまりは、子孫運のない絶家の最終章の家族の形を具現します。


    ある意味、

    こういう家庭が増えれば、国力の衰えにつながって行くでしょう。

    戦争ではなく、内部から衰えていくわけです。

    これを非常に恐れる心が、このブログを書いている目的の一つです。




    では、運命に恵まれた代わりに美人ではない場合は?


    普通の顔形、10人並、20人並? あはは~、

    ぶ形(失礼!)であっても、

    しっかり幸せにおさまってしまいます。

    六親にも、財運にも、恵まれます。


    幸せは、顔形、おしゃれ、ルックスではないのです。

    普通がいいのです。バランスです。

    均衡をもって尊しと成す。です!


    命の生まれる目的は、一時の”玉の輿”どころではなく、

    永遠の命の継承をするか、しないか、なのです。


    たった一人のしっかりした男性に見初められれば、それで十分! (笑い)

    それ以上の欲を持つ必要も無く、

    持つエネルギーを他の人へも生かしていけるからです。



    みなさん、お互いに、

    男性を刺して射止めるほどの美人でなくて良かったこと! 


    あはは~!



    普通の人並の幸せの中にいる事が、どんなに貴重な事か、

    お解りになったでしょう?  


    今日は、女性の方に耳が痛い記事になったかも知れません。


    あっ! 

    もしか、絶世の美人の方がお読みになられたのなら、 (笑い)

    美人という事で、有頂天を極めてはいけません。

    そこは、自重をしてバランスを取って人とお付き合いなさってくださいね。




    美人というメリットを人生で使い過ぎないように・・・

    貴女の子孫が危なくなります。



    男性も同じ事です。

    裏返して考えてみてください。





    秋の気配がしてきましたね。

    なんだかほっとしています。

    残暑厳しき折、お体を大切に!



    良き一週間をおすごしください。
























    -----------------------------------------*・・+"*☆★☆." 
    記事は無断転用なさいませんように、お願いします。

    [一部、版権]がございます。権利は放棄しておりません。

    どうぞ宜しくお願いします。


    関連記事

    テーマ : 文明・文化&思想
    ジャンル : 学問・文化・芸術

            

    Comment

    やっと夏休みを取られてたのですね。
    上高地が31℃! そこまでいくと日本は亜熱帯です。
    普通がいいです。日本の普通の夏。 もう無理なのでしょうか、、、、、
    人間も普通がいいのですね。
    考えれば人間も植物も生物です。同じですね。
    植物の根付き、株分け、芽吹き、時に応じる成長。
    一歩間違うと枯れて壊死する花木を見ると、人間の生存もそうなのだと頷けます。
    何がどうしてそうなるのか?興味は尽きません。

    『和俗童子訓』・・・江戸時代の勉強方法も書いてあり、それなりにためになったのですが、
    「反朱子学者・貝原益軒」など、今回も知らないことがてんこ盛りで、とても勉強になりました。
    ありがとうございます!改めて読んでみたいと思います。
    美人に関してですが、諸葛孔明も同じような意見だったような気がします。

    また、「明治維新は朱子学の理論」「反朱子学者、朱子学者についての記事も楽しみにしています。

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    夏休みで上高地へ行かれたのですって、よかったですね=
    31℃もあるなんて驚きです。=
    ここまで急激に、日本の気候はどうなっていくのでしょうか=

    気候もそうですが、日本の家や家族の変遷は急激ですね=
    このままで良いのか、誰も不安を感じながらどうしようもないようです。=
    あらゆる事が、あまりにも早く移ろっていくようで=
    更なる東洋の知恵をご教授ください。=

    上高地は懐かしい、昔若い頃の事です。

    明治維新も、今、大河でしている坂本龍馬もそう、日本人は時流の乗った解釈をしたがる。
    いろいろあって自由だが、それなりに流されて行くより筋を(哲学的という事か)通して見る必要はあるだろう。
    朱子学を軸としてでも、有意義な事にはちがいないよね......

    Re: タイトルなし

    > やっと夏休みを取られてたのですね。
    > 上高地が31℃! そこまでいくと日本は亜熱帯です。
    > 普通がいいです。日本の普通の夏。 もう無理なのでしょうか、、、、、
    > 人間も普通がいいのですね。
    > 考えれば人間も植物も生物です。同じですね。
    > 植物の根付き、株分け、芽吹き、時に応じる成長。
    > 一歩間違うと枯れて壊死する花木を見ると、人間の生存もそうなのだと頷けます。
    > 何がどうしてそうなるのか?興味は尽きません。

    ★自然界の中で、普通というのは、バランスが取れているって事でしょうね!
    少し、人間は理性を肥大化しすぎですね。なにでも思うようになるとか?無理やりそう思わせて、
    誰が、それで得をするのでしょうか、、、ねぇ!
    いつもありがとう! 感謝☆cosmos

    Re: タイトルなし

    > 『和俗童子訓』・・・江戸時代の勉強方法も書いてあり、それなりにためになったのですが、
    > 「反朱子学者・貝原益軒」など、今回も知らないことがてんこ盛りで、とても勉強になりました。
    > ありがとうございます!改めて読んでみたいと思います。
    > 美人に関してですが、諸葛孔明も同じような意見だったような気がします。
    >
    > また、「明治維新は朱子学の理論」「反朱子学者、朱子学者についての記事も楽しみにしています。

    ★masumienさんが、そう言われるなんて、日本は自国の歴史や思想の教育において、実に大雑把なのですね!
    突っ込まないというのか、面倒くさい事を避けるというのか、綺麗事?奇麗事?自国の歴史を傷つける事になるかもしれないという慎重さからかも知れませんが、すべてが全てを良いように受け入れやすいように表層的に見せてマトメル事をしなくてもいいように思いますね。
    あるいは、過去を正当に見る視点まで我々が成長を遂げていないのかも知れません。
    長期的な視点から見ると、そういう目先の気遣いが、誤解や迷いを生む事になって、未来を展望するのに邪魔になる、そういう曲がり角に来ているような気がします。
    いつもありがとう! 感謝☆cosmos

    Re: タイトルなし

    鍵コメントさんへ 
       ありがとう! 感謝☆cosmos

    Re: タイトルなし

    > 夏休みで上高地へ行かれたのですって、よかったですね=
    > 31℃もあるなんて驚きです。=
    > ここまで急激に、日本の気候はどうなっていくのでしょうか=
    >
    > 気候もそうですが、日本の家や家族の変遷は急激ですね=
    > このままで良いのか、誰も不安を感じながらどうしようもないようです。=
    > あらゆる事が、あまりにも早く移ろっていくようで=
    > 更なる東洋の知恵をご教授ください。=

    ★世間は、経済や資源が危機であると言っていますが、実はもっと奥、哲学や道徳が危機なのに~~!
    自分の主体性を失っているという事に気がつかないのですよ。
    精神より、物に関心が縛られている、その事が悲劇的でさえあるように思います。
    本当に、東洋的なものへ回帰しないといけないの!
    いつもありがとう! 感謝☆cosmos

    Re: タイトルなし

    > 上高地は懐かしい、昔若い頃の事です。
    >
    > 明治維新も、今、大河でしている坂本龍馬もそう、日本人は時流の乗った解釈をしたがる。
    > いろいろあって自由だが、それなりに流されて行くより筋を(哲学的という事か)通して見る必要はあるだろう。
    > 朱子学を軸としてでも、有意義な事にはちがいないよね......

    ★そう!日本人は、目の前の人に合わせちゃうのです! まるで鳩山さんです。あはは。
    王様には、なれない。みんなが丁稚根性が染み付いているような気がします。
    それは、どこからか? いろんな意見を出して、日本人は変わっていかないといけませんね。
    お忙しいのに、ありがとう! 感謝☆cosmos
    非公開コメント

    プロフィール

    寂光ーcosmos

    Author:寂光ーcosmos
    家系・個人の運命鑑定
    東洋運命学教室を主宰

    最新記事
    カテゴリ
    月別アーカイブ
    最新トラックバック
    最新コメント
    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    QRコード
    QRコード