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    物質文明2  身近な物質文明の影  《言葉の力の剥落)  

    Category : 身近な物質文明

     

    雪高原





    前の記事で、

    子供の心を育てるのもに頼っているの?

    と書きましたら、次のようなメールをいただきました。

    心を心で育てるのには、言葉は要りませんか?




    そうですね。言葉! これは難しく言えば文化の問題ですね。

    心を伝えるのには、言葉は要らないかもしれません。


    でも、親やそれが属している社会の文化を伝えていくのには、

    言葉は大事ですね。

    どういう心を持って生きているのか表すのは言葉ですね。

    特に、母国語の力が重要だと思います。




    ちょっと前ですが、

    俳人の長谷川櫂氏の言葉、次のような記事を新聞で見ました。


    『言葉が記号のようになっている現代。

    しかし、本来、言葉はもっと厚みがあるもの。

    歳時記についての認識を高め、日本文化への知識を広めて欲しい』




    年毎に失われていっている季節感を惜しんで味わう為に、

    日本語の大切さを再認識するために、

    季語の集大成である歳時記の検定試験を、

    4月24日に東京の渋谷・こどもの城で行うそうです。



    これを読んで、

    日本語という母国語の危機を感じている文化人の方も多くいらっしゃ

    るのだと私もほっとした所です。


    人の持っている言葉(母国語)とは、

    どのような国に生まれ、その国のどのような文化の中で育ったのか、

    というその人のアイデンティティーそのものではないか、と思います。


    生れて育った母国の文化のなかの、伝統や守られてきた仕来りや、

    その伝統を作り上げる為に営々と努力し、大昔からそれらに係わった

    先祖や人々の悲しみや喜び、苦労の中から選択してきた価値観、

    そういった全ての「精神・心の歴史」を含んだもの=母国語です。





    命の継承の川上から、受け継いで人々が生きてきた証が言葉である。

    ちゃんと受け継ぎ、現実に生かし、大切に守り、

    そして次世代に受け継いでいかなければならないもの=母国語です。






    私達は、あいうえおの「あ」の音をさりげなく聞いて、覚えて真似ます。


    「あ」の音に含まれる音のイメージ、「あ~」「あぁー」 (笑い)



    私達の先祖が日本列島に住み始めたときから、

    精神のなかで抱き続けてきた「あ」の世界、

    繰り返し、くりかえし、口で発する声を耳で聞きながら、

    私達は、「あ」の音とともにその世界を受け入れます。肉化します。


    大地に両足を広げて立ち、空へ両の手を広げて上げ、

    宇宙に対峙する驚き、感動だったかもしれない「あ」。

    新しい事に期待する、未来が始まる合図だったかもしれない・・・「あ」


    あ、 あぁ、 あした、 あたらしい、 あさ、 あなた、に  あう。





    心と体を分けないで、一つの命と捉える感性で、

    命と日本の自然があわさった言葉。

    口で発して心地よく、耳で聞いて安らかな言葉=母国語です。




    正しい日本語を話しているだけで、

    その音や漢字の綴りから、

    字の形の持つ成り立ちを想像して

    目や口や耳から刺激が脳へ送られ、受け継がれるものが自然に

    伝えられて、日本人として培われていくのでしょう。



    この修養のような期間が、生まれてから青年期に達する頃まで、

    必要です。 その期間は、世界のいろんなものに興味を持つ、

    年代でもあります。 人を母国語に漬け込む時間です。

    それから自我が芽生えて、葛藤し、確立するまでの間、

    母国語の中味を生命に籠めるのに必要な時間です。





    何のために?

    この国で、日本人として、幸せになっていくためにです。



    できれば、この期間、母国語よりも外国語を学ぶ事は避けたいです。

    又、この期間に長期の留学や外国での生活はさせたくありません。

    余ほどの必要がなければね!



    自国の文化の面を重んじたら、そうすることが理想と思います。

    どうして?

    いつか今度詳しく、私の運命鑑定の仕事の中から帰国子女の方達の

    ご相談を通して体験した事を紹介したいと思います。


    中途半端にバイリンガルになった場合、アナウンサーや学者等の

    専門的な職業についた場合は別として、なかなか日本の社会の中で

    居場所を見つけるのは大変な事のようです。

    特に、女性は結婚相手を見つけるのに苦労をしています。

    日本の男性に、きちんとした相手として見てもらえない悩みを、

    抱えている場合が少なくないのです。 大都会の東京でですよ!

    交際の段階で失敗するようです。



    詳しくはまた。




    母国語を通して強い人間としての精神を形成するということよりも、

    確たる目的も持つように指導する事も無いまま

    英語の早期教育が進められている現状は、どうかな?と思います。

    外国語は、あくまでも手段でしかありません。






    外国語を早く習得するメリットは、何? と、

    それをお母様方にお聞きした事があります。

    入試や、将来子供が就職で優位に立つ、とのお答えでしたよ。

    精神より、経済、仕事の便法が優先されているのですね?


    英語を習えば、将来子供が出世ができて楽ができるから。

    恥ずかしげも無く、そう口にしていました、、、

    そういうパンフレットがあって、信じているようでしたよ。

    それを幻想と知らず時流に乗ってしまう。


    精神より物!

    と物に囲まれて育った親の世代は、身につけた方がいい! と

    思うのでしょうか?



    心や、精神には価値を置いていないようです、、、。




    文科省も目先の国としての構えを優先させているようで、

    資本主義という物質文明の枠内での教育論の域を出ていない、、、

    外国語という技術を身に付ける前に、

    その語学力で何をするのかという、目的が語られていないわ~



    本当の国としての『教育論』が語られていない気がします。



    その結果は、母国語の力の剥落です。

    それはそのまま自国を守る意欲、生きる力の剥落です。

    なぜって、思考力は母国語とその体験から出てくる力ですよ。



    これも、物質文明の影が落ちているところです。






























    -----------------------------------------*・・+"*☆★☆." 
    記事は無断転用なさいませんように、お願いします。

    一部、版権]がございます。権利は放棄しておりません。

    どうぞ宜しくお願いします。



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    テーマ : 英語・英会話学習
    ジャンル : 学校・教育

            

    Comment

    たとえば、子どもの父がアメリカ人で、母が日本人の場合、
    意識していなくてもバイリンガルになると思いますが、
    その時は住んでいる国の言葉が母国語になるのですよね。
    母国語の大切さ・・・想像以上でした。

    小学校の英語教育の義務化は、小学校教員の負担増だけではなく、
    母国語の面で問題があるということがわかりました。

    真言宗・・・・

    一応空海ファンクラブに先祖代々入っている私です。

    空海は「真言」と称したように、言語を大切にしました。
    でも「神学」には成らない。それは本当の言葉は、「生きた言葉」が大切だから。

    近代で超人的言語能力の持ち主の南方熊楠は、なにもガキの頃から多言語を学んでいたわけでもないです。
    いっそ空海・熊楠をみてもわかりますが、適当に体を動かして、自身がその言語を必要とするようにしたほうが、学びやすいようです。
    その外国語を「欲しい」と思えば、「これこれの用件で使いたい」と思えば、それが学び時で、年齢は関係ないようです。

    結局、雲を掴むような「将来のため」「受験勉強のため」「いつか役に立つ」では、覚えるのは至難です。
    「あの人とあって話したい」「買い物がしたい」とか具体的な実用の目的があったほうが、覚えやすいと思います。

    そのためにも「母国語」でじっくり育てながら、その「雨」が降るのを待つ。のが、無難な方法に思います。

    言語を粗末にするものは、結局は、その言語すら使いこなせない。その上なりその奥の深遠・広大なるものなど無理なのは当たり前です。
    って偉そうに言っちゃいました。

    言語は道具でもあり、真相でもある。「いつわりの言語は迷いを産み、真実の言葉は迷いも晴らす」というとか。

    もう少し、自分の言葉を丁寧に使うことをしていたら、それほど根無し草にならなかったかも知れませんね。

    再見!

    自分のポリシーを持つ事ですね

    コスモスさんのブログを訪問するようになって確信をするようになった事は、
    何事も自分の信念を持つ事が、ものすごく大切だと。

    なにより、今の常識を疑ってでも何が本当か考えるようになったわ!
    もっといい考えはないか?と慎重になりました。
    現状の中で、何も感じない安定は、ありえないって、上手くい得ませんが。
    冷えます。お体を気を付けてください。

    Re: masumienさん、ご訪問ありがとうございます!

    > たとえば、子どもの父がアメリカ人で、母が日本人の場合、
    > 意識していなくてもバイリンガルになると思いますが、
    > その時は住んでいる国の言葉が母国語になるのですよね。
    > 母国語の大切さ・・・想像以上でした。

    ★そうですね。
    どこに生命が根を下ろして生きるのか、根本的な問題ですね。
    植物でも、植え替えばかりしていたら伸びませんよ。
    バイリンガル、それがあたかも時流に乗った格好よさとか、見栄を張ったり大人の都合でいい加減にしてはいけない事ですが、(マスコミは無責任に、持てはやしますね)結局は生活と言うのか経済的な大人の都合で流れて行くのですね。
    根無し草の人間です。大人はいいですが子供はいい迷惑です。
    でも、その子供に出る弊害も、大きくなって20歳を越えないと分からない。
    基本は、その子が人間として自立しなければならない時に、それが上手く行かないというような問題として出てくるのですね。おそらくですが、私見ですが、自分を確かな存在として確認できない、何かの時にポロっと崩れる人格形成になるだろうと思います。自己存在が弱いと、軽く乗せられる、調子が良い、だまされる、困難に負ける、というような現象になりますか・・・
    。....。..。..................................................。....。..。。..*☆゜

    > 小学校の英語教育の義務化は、小学校教員の負担増だけではなく、
    > 母国語の面で問題があるということがわかりました。

    ★学校でやるのは仕方がないですから、親が責任を持って、それほど力を入れなくていいよ、楽しむ程度でいいという意識で扱う、それより本を読もうと等のバランスを持っていればいいと思うわ。真剣にするほどのものじゃないと思います。英語は奥手!でいいでしょうね~

    Re: 真言宗・・・・ ご訪問ありがとうございます!

    > 一応空海ファンクラブに先祖代々入っている私です。

    ★えっ、そういう表現もありますか? (笑い)
    自分が無宗教だという日本人が多い中で、奇特な御仁でいらっしゃいますね~ (笑い)
    。....。..。..................................................。....。..。。..*☆゜

    > 空海は「真言」と称したように、言語を大切にしました。
    > でも「神学」には成らない。それは本当の言葉は、「生きた言葉」が大切だから。
    >
    > 近代で超人的言語能力の持ち主の南方熊楠は、なにもガキの頃から多言語を学んでいたわけでもないです。
    > いっそ空海・熊楠をみてもわかりますが、適当に体を動かして、自身がその言語を必要とするようにしたほうが、学びやすいようです。
    > その外国語を「欲しい」と思えば、「これこれの用件で使いたい」と思えば、それが学び時で、年齢は関係ないようです。
    >
    > 結局、雲を掴むような「将来のため」「受験勉強のため」「いつか役に立つ」では、覚えるのは至難です。
    > 「あの人とあって話したい」「買い物がしたい」とか具体的な実用の目的があったほうが、覚えやすいと思います。
    >
    > そのためにも「母国語」でじっくり育てながら、その「雨」が降るのを待つ。のが、無難な方法に思います。
    >
    > 言語を粗末にするものは、結局は、その言語すら使いこなせない。その上なりその奥の深遠・広大なるものなど無理なのは当たり前です。
    > って偉そうに言っちゃいました。
    >
    > 言語は道具でもあり、真相でもある。「いつわりの言語は迷いを産み、真実の言葉は迷いも晴らす」というとか。
    >
    > もう少し、自分の言葉を丁寧に使うことをしていたら、それほど根無し草にならなかったかも知れませんね。
    >
    > 再見!

    ★今の時代は、確たる思想も哲学も持っていない人ばかりですから、
    このようなフワフワした、技術的な便法に寄ってたかって群がるのでしょうね~
    どこまで流されていくつもりでしょうか? (笑い)
    流れる川があるのは、まだマシですよ。
    行き止ったら、どうするのでしょうね~
    今の子供たちは、30年後の日本ですから、為政者のレベルがなんとも歯がゆい、です。

    Re: 自分のポリシーを持つ事ですね

    > コスモスさんのブログを訪問するようになって確信をするようになった事は、
    > 何事も自分の信念を持つ事が、ものすごく大切だと。

    ★あら!そうですか? うれしいことです!
    。....。..。..................................................。....。..。。..*☆゜

    > なにより、今の常識を疑ってでも何が本当か考えるようになったわ!
    > もっといい考えはないか?と慎重になりました。
    > 現状の中で、何も感じない安定は、ありえないって、上手くい得ませんが。
    > 冷えます。お体を気を付けてください。

    ★日本は二重にも、参重にも、虚構が敷かれている上に存在していると思っています。
    それを、どうにか、引っぺがしていくしかないのです。
    よく共感していただいて、ありがとうございます。
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    寂光ーcosmos

    Author:寂光ーcosmos
    家系・個人の運命鑑定
    東洋運命学教室を主宰

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