![]() 2010
03/05 11:31 |
道徳3 私達は、東洋の素読的な知の理解というものを失っていったのではないか。Category : 生活哲学
![]() 窓に凍りついた氷の結晶 氷が視界を邪魔するように、 現代文明の意識が、本来の私達の認識の邪魔をしています。 今日は、道徳の3回目、 正直に言うと道徳について今、ここまで書こうとは思ってもなかったのです。 前々回、次のようなコメントをいただきました。 いつもお伺いしようと思っていたのですが、 今の人の主張は、感覚、知識、意識ばかりが溢れています。 何か、偏りを感じています。 子育ての話題も意識、音楽についても意識、政治も意識、 息がつまりそうです。 東洋学というものに触れたら、 こういう風に気が付く感覚が、自分の内側で育ってくるようです。 このブログのせいかしら? (笑い) 子育ての話題も意識、 音楽についても意識、 政治も意識、息がつまりそうです。 分るような気がします。 政治が、意識的という事は当然としても、 特に子育て・教育は意識で構築したロジックだけでは不十分ですね。 一般的に女性は教育や育児を、心を中心において理解しようとしますから、 意識的な言葉だったら、理屈は解っても、体が動いて、行動が出ません。 体と心が動かない教育論は、意味がありません。 音楽もそうですね。 モーツァルトなどを、意識的な言葉でいくら解説してくれたとしても、 あのモーツァルトの音楽は、伝わらないですものね。 意識的な言葉で、全てを理解できる、させられると思うのはダメね~! 女性は、生理的に受け付けない処がありますよね。 その無意味さを直感的に分ってしまうのです。 言葉だけの理解で何が手に入るの? と。(笑い) ついでに紹介しておきますと、 カントも、人間界では「意思」が出発点になる 、と言っています。 西洋文明の哲学者は、実に! いろんな認識の道具や存在の意義を作り出すものですね~! ここから東洋です! 東洋学の言葉は漢字は難解?でも、漢字の表記でほぼ意味が通じます。 特に中国の古典を読むときに、 漢文の素読で声を出してそれらの文を読めば、 目から字の意味がうっすら脳へ、その音が耳へひびき、 脳から全身へ。 口を動かす筋肉から体感へ、 何かが自分の体の中から、 その文中の匂いと同じものが、立ちのぼって来るような気がします。 文中の意味を、音の美しさを、 言葉の真実味をシャワーで浴びるようです。 私達の先祖は、そのような 東洋の素読的な知の理解というものを失っていったのではないか。 いつから? 明治維新以降から入ってきた西洋文明の書物や考え方、文化などを 吸収する為に、 我々の先祖は必死で西洋の実証的な知識的理解というものを 受け入れていったわけです。 そのおかげで、ずいぶんと進んだ面もありますが、 その結果、今の道徳の捉え方は、 西洋の実証的な知識的理解のみに終始してしまっている。 と、言えなくもないと思うのです。 まさに、心に思う事を身体的実践で行うのが道徳とすれば、 西洋の実証的な知識で道徳を理解させようと教えたとしても、 本当の道徳の理解には至らないという事です。 『いい番傘を作る』という例えで言いますと、 まず番傘の仕組みを知るために目の前にいろんな傘を並べて研究して、 形をデザインする。 それから、それがどうしていい番傘になるのか 材料や形を理解できるように説明する事で終っているのです。 心・体=いのちという身体的実践が伴なわないまま、、、 解ったつもりになっている。 雨の中を番傘をさしてみるという経験をしないまま、 番傘の事が解ったつもりになっている? 一度もさしたことの無い番傘。 あれこれ理屈を教える。 だって、それが今の世では頭のいい人なのですものね~ それに気が付かない文化が、ずっ~~と、 西洋化の波の中で続けられてきたのではないですか? この世界や、宇宙、又、人間や、いのち、は、 間違いなく人間より先に存在していたものです。 それなのに、 その本質を見ようとするのに、 人間が400年前に気づいた意識という、 知る方法の一つでしかない西洋の実証的な知識的理解でもって、 この世界のすべてを推し量ろうとする事が、 余りにも稚拙であるという事に、もう気がつかないといけない。 そう思われませんか? まぁ、モノを扱う場合はそれで間に合うかも知れませんが・・・ 人間の行動は、感情で動く部分が大きい。 無視はできないですね。 感情を無いものとして扱い、なんでも自分が意識する物を中心に 全ての存在を論じようとする。 この西洋的な知の有り方そのものを考え直さなければ、 次への扉は開ける事はできない。 そう思います。 その点、東洋においては、 この世界や宇宙、又、人間や命の本質を 見極めようとする時は、 必ず、意識できる知性だけに頼るだけでなく、 情的な感性と体感を伴なう身体的実践を重んじてきました。 また、一度確認されて普遍的な知となった智慧・悟りを 後世へ伝承するにあっても、その正確な追認には、 かならず身体的な実践を欠くべからざるものとして来ました。 なぜならそれら(この世界や、宇宙、人間や、いのち)は、 意識だけの存在ではなく、 なにかあれば、私達の全存在に影響を与える存在だからです。 だからその確認には、 意識したものを文字やデーターとして留めただけのものではなく、 生死において肉体・精神=命で覚知する基である という前提があるからです。 道徳においても、そうでしょう。 西洋の実証的な知識で道徳を理解できるとしてきた事。 これが、私達の道徳への鈍麻性につながっているのでは? 道徳への鈍麻性の例、 西洋の実証的な知識を身に付けた人とは、高学歴の人です。 高学歴と道徳性は比例しないでしょう? あはは。 北教組の幹部たちの選挙資金の違反、 教員採用試験等の教師の犯罪、 警察官、判事、弁護士、医師の保険請求の犯罪、 議員のお手盛り、政治資金の不正、きりがないです~。 その鈍麻性を、失くそうと思えば、、 自らの道徳性を磨く事なしにはできないでしょうね。 道徳を箇条書きにして、壁に貼ったところで何にもなりません。 憲法や法律のように、人間が作った法律ではなく、 人の所業に、良心によって確認される成文化されない則です。 条文化されていないイギリスの憲法に 少し通じるものがあるかもしれません。 私が今まで、東洋、東洋!と絶賛してきた 我が東洋の哲学の特長は、 体を通してしかそれらの真髄は分らないという点にあります。 身体的実践を伴わない西洋哲学とはココが違うのです。 当然、そこから生まれた道徳の価値もそうです。 体を通して、初めて道徳の真髄が分るのです。 本当の道徳とは、 身体的実践を通して、取り巻く環境との交流から、 他者との反応、それは喜びや感謝で還ってくる感情的満足、喜び、 自己と他者が共に向上する喜び等を、 心身共に取り入れ味わいながら命の深奥へ積み重ねられる 宇宙やこの社会との共鳴です。 その共鳴のリズムを心身両面で感じ、培った命は、 次、欺瞞を帯びたものに対して敏感に反応するはずです。 かりに為政者が、人に喜びを施すという手練手管を使って、 腹の中では時代を思い通りにする欲望を秘めて謀ったとしても、 我々の心身に、他者との徳性の向上における喜びが、 刷り込まれていれば、 それをひとかけらも感じさせない為政者の言葉には、 騙されない知性と感性、意識が私達のいのちに深く根を張っていて、 自らが陰謀の穴へ落ちてしまう事から 守ってくれると思います。 あらゆる権力や魔性が、我が身を蹂躙しようとしても、 それから守ってくれるのは、お互いに見抜く力、 自分の培ってきた自分の徳性しかないのです。 -----------------------------------------*・・+"*☆★☆." 記事は無断転用なさいませんように、お願いします。 [一部、版権]がございます。権利は放棄しておりません。 どうぞ宜しくお願いします。
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そういえば、、、身体的実践を伴わない西洋の実証的な知識ばかりで、賢くなったなんて思ったらダメなのですね。
そうじゃないかなぁ~と疑っていたのですが、そういう立場から考えると すべて腑に落ちて、見えてきますね。 ふムふム・・・こんばんは!
今夜も夜回りで~寄りました。 やっと本当の春が来るのかなぁ・・・? そんな感じの風と雨が交互ですよ。 道徳、分かるよ。学校でいくら良い成績でも立派な大人にはなれない半熟卵。 因果だね・・・。 あちらでは春らしい装いで迎えていただきました(笑)。
西洋と東洋、頭と体・・・まだまだ学ぶことがたくさんあるようです。 こちらで心身ともに鍛錬し、いのちを積み重ねていきたいと思います。 管理人のみ閲覧できますこのコメントは管理人のみ閲覧できます
価値観のうすっぺらさ今の教育や、社会の価値観の向うが見えてきますね!
威張っている大人や、自分がえらいと思っている人が、どれだけの値打ちがあるのかって? 未来のある、子供たちに、そうなれって言えないです・・・ ご訪問していただき、ありがとうございます。
綺麗な白い梅が満開です。 沈丁花のお花も香っております。春近しですね。 Re: そういえば、、、> 身体的実践を伴わない西洋の実証的な知識ばかりで、賢くなったなんて思ったらダメなのですね。
> そうじゃないかなぁ~と疑っていたのですが、そういう立場から考えると > すべて腑に落ちて、見えてきますね。 ★そう、みんなが頭がいい事は、知識を持つ事だと思っている。 そこが、物質文明の極みでしょうね~~ いつも、変わらぬ友情に感謝します。 ありがとう。★-------------------------------------:*・+☆+"*☆★☆ Re: ふムふム・・・> こんばんは!
> 今夜も夜回りで~寄りました。 > やっと本当の春が来るのかなぁ・・・? そんな感じの風と雨が交互ですよ。 > 道徳、分かるよ。学校でいくら良い成績でも立派な大人にはなれない半熟卵。 > 因果だね・・・。 ★いつも、夜回りごくろうさまです! (笑い) あっはは~ 半熟卵! また、雨です。三寒四温、三雨四晴れでしょうか? いつも変わらぬ御慈愛に感謝します。 ありがとう。★-------------------------------------:*・+☆+"*☆★☆ Re: タイトルなし> あちらでは春らしい装いで迎えていただきました(笑)。
> > 西洋と東洋、頭と体・・・まだまだ学ぶことがたくさんあるようです。 > こちらで心身ともに鍛錬し、いのちを積み重ねていきたいと思います。 ★ちょっと早すぎるかと思いましたが、春が来るのが待ち遠しくて・・・(笑い) 東洋は、決して西洋には負けない。そう思っています。本来は西洋を従者にする位の力を持っている思想体系があります。それを皆さんが知らないまま放置している事が惜しいですね。 いつも変わらぬ友情、感謝します。 ありがとう。★-------------------------------------:*・+☆+"*☆★☆ Re: 価値観のうすっぺらさ> 今の教育や、社会の価値観の向うが見えてきますね!
> 威張っている大人や、自分がえらいと思っている人が、どれだけの値打ちがあるのかって? > 未来のある、子供たちに、そうなれって言えないです・・・ ★もう、お上や、自分が賢いと思っているえら~い方には、頼っていられない気分ですね。(笑い) 我が家流~、自分たちの生き方をするしかないかも知れませんよ。あははっ! いつも変わらぬ友情に感謝します。 ありがとう。★-------------------------------------:*・+☆+"*☆★☆ Re: タイトルなし> ご訪問していただき、ありがとうございます。
> 綺麗な白い梅が満開です。 > 沈丁花のお花も香っております。春近しですね。 ★雨が降っております。この雨が植物たちに必要なのですね。 あたたかい、やさしい雨です。 ペギーバラードが咲きました。またお邪魔します。 ありがとう。★-------------------------------------:*・+☆+"*☆★☆ |