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    『常住』ー無常に対する言葉として・・・・・

    Category : 仏教のことば
    日の出

                         武蔵野嵐山の夜明け



     熱烈歓迎中国! 中国からのアクセスが急に増えました。googleの規制解除の関係でしょうか?

       







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    ”経済という『陽』は、無常を免れないのです。” に対して、

    次のようなメールをいただきました。



    永遠に不滅のものはないということでしょうか?

    西欧文明に見られるような、大理石で作られた建物を

    永遠とみることに関してはやはり無理があるのでしょうね。

    我が国には伊勢神宮の遷宮という永遠感があるのではないでしょうか?






    メールありがとうございます!そのとおりですね。

    東洋思想の仏教と、陰陽学から考えてみようと思います。

    長くなるようでしたら、次回へ分けますね。




    今日は少し難しいかもしれません。仏教的な言葉を紹介したいと思います。



    その前に、言葉の整理を、無常、永遠、不滅なもの、ですね。

    うわぁ~ 大変な言葉ばかり! 

    実を言いますと、先日も内容がムズカシイとメールをいただいて!

    (うわぁ~、今日も又、ムズカシイと言われるわ~!)

    実際に本が30冊位?! 書けそうな内容です~ (笑い)

     大雑っぱに! 分りやすくを、心がけますね。




    まず、永遠という言葉についてです。

    私の主観ですが、この言葉からは、遠く未来へ、

    果てしなく行き果てる時間軸だけを想像します。


    果てしなく行き果てて、、、

    今ここに居るという現実の時間との関係を見失いそう~

    なにかキリスト教的空間、天国? あ~~似ていますね~


    そこへの架け橋は? そこへ至る階段は? どこどこ??

    きょろきょろしています! (笑い)



    天国への道を求めて、、、、、永遠を探し求めるエネルギーが、

    あの西洋の文化を絢爛豪華に華開かせたのかしら? 




    東洋人の私にとって、

    取って引き寄せる事の出来ない天国は、ないも同然です。


    観念的 ? そうですね~~  ごめんなさい~ 


    仏教徒で東洋人の私の好みと思ってくださいね!!

    やはり、この世という現実に基づいた、実体が探れる言葉が好きです。

    本質的な長遠を表す言葉は、時空に亘るものがいいですね。





    さぁ、仏教の言葉へ入っていきますよ!

    私達の生活上の時間の『今』に連続している時間軸上に、

    (地球上の時間=黄道上の空間における一点ですから)

    その『時』の占める空間も含めて、

    『無常』に対する言葉としては、



    仏教用語の『常住』(じょうじゅう)が適当ではないですか?



    すこし解説を、しかし、お断りしておきますが、

    常識的な言葉の意味の範囲という云う事に限定させてください。



    『常住』とは、無常に対する語。常に住すること。

    過去世・現世・未来世の三世にわたって常に存在し、


    ここが、だいじなの!!生滅変化がない。つまり現象ではない。


    釈迦の経典においては、法華経に来て初めて常住という事が説かれました。


    釈迦は、29(19)歳で出家をし、仏陀になったのは30(35)歳、

    それから小乗教、大乗教を説くわけですが、釈迦の涅槃(亡くなる)の2年前

    に説いた法華経は、小乗、大乗の対立を止揚、統一する内容を持つと

    言われています。




    法華経以前の諸教は、ごく一部に、『常住』が説かれていますが、

    それ以外の法華経以前の経典には、『無常』だけが説かれています。



    法華経以前の諸教は、

    当時のインドの民衆に、身近な世界のすべての事象が

    時と共に変化消滅をしていく姿を認識させる為、

    そういう意識を発達させる為、


    その点に重点が置かれていたかのようです。



    そして、法華経に来て初めて『無常世界』の奥に、絶対に滅失しない

    絶対世界である『常住世界』が存在することが提示されます。

    いわゆる、ここでパラダイム(認識の枠組み)の転換が起こります。


    この転換は、無常から常住へというだけでなく、それに応じて、

    それまで釈迦が説いてきた法全体の時空に及びます。

    (この詳細は、省かせていただきますが、)




    住は、存続する。という語の意味に近いです。

    今ここに、居る。居続ける。永遠という言葉と比べると

    時間軸だけでなく、存在感と空間の広がりが感じられる言葉でしょう?





    私達のこの世界の意識で捉えられる表層は、

    変化し流転する『無常観』で捉えられるわけです。

    しかし、その現象を起している本質は変らず『常住』であり、

    意識ではつかみ難い分かりづらい存在だと言うのです。

    そのことを『難解難入』なんげなんにゅう、と言います。





    『常住』の世界は見えないのですが、『無常』の世界は意識で把握できます。

    だから『無常世界』は捉えやすいので、理解しやすいので、

    無常という言葉が一般に広まったのかもしれません。

    『常住』より『無常』という言葉の方が、easyという事かも。



    それで、今、私達は『無常』という言葉を、仏教以外でも使っているわけです。



    いわゆる人間の存在から 自然のありようまで、宇宙も、

    時の経過によって、いつかは色褪せ、存在は滅失します。

    すべては、仏教の無常観の範疇から抜け出る事はできません。 


    これらは、意識世界においてはひとまず正しい認識なのですが、

    パラダイムの転換後、絶対世界の『常住世界』から観た場合には、

    無常観というのは、方便、仮の教えになります。


    例えれば、屋根へ登るのに使う梯子は、登るときには重要な役割が

    ありますが、登ってしまえば、梯子は梯子でしかありません。


    それに似ていますね。

     


    東洋の仏教では、まず無常観を教えています。

    その後、それまでの全ての枠組みを大転換をして、

    本質的な永遠の存在を明かしています。 ダイナミックです!

    私達は、あくまでも無常の世界に生きていますが、その奥に、

    常住という世界があるという事です。

    その事は、私たちの生命は永遠だという事になるのです。

    死んだら、天国で終わり! じゃないという仏教の智慧です。


     難しかったでしょうか ? (笑い)



       次は、陰陽学と双方から書ければいいな!と思っています。


       細かく書きますと、膨大な文字と、時間が要ります。

       あくまでも、雑に! シンプルに! しました。(笑い)

       仏教の偉大さ、そのニュアンスだけでも伝われば、

       私も、満足して寝られそうです。 (笑い)

       東洋の知恵に馴れていただければ本望でございます。

       遠い宇宙の暗闇に、確かに存在するもの、、、

       それは東洋の秘した智慧でしか掴めないものです。


      

     おやすみなさいませ。
















    -----------------------------------------*・・+"*☆★☆." 
    記事は無断転用なさいませんように、お願いします。

    一部、版権]がございます。権利は放棄しておりません。

    どうぞ宜しくお願いします。




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    テーマ : 宗教
    ジャンル : 学問・文化・芸術

            

    Comment

    さわやかな朝日が昇っています

    夜勤が終って帰宅するとき、朝日がきれいでした。

    ”時間軸だけでなく、存在感と空間の広がりが感じられる言葉でしょう?”
    常住という言葉は、一般的ではないです。
    初めて知った言葉です。教えていただき感謝です。
    知ると知らないでは、生き方に違いがあるようになるだろうと・・・・・
    漢字は、大切にしたい文字ですね。
    一字の中に、宇宙が感じられます。


    たしか。

    確か荘子か老子に
    「永遠に変わり続けるものが、永遠なるものである」という意味の言葉がありました。

    無常を我が物としたとき、永遠となれる。というか。

    面白いですね。

    再見!

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

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    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    無常は見慣れてますし、聞き慣れていますが、
    「常住」は初めて見たような気がします。

    仏教は深く、しかも無量大数以上の広がりがあるようで、
    自分の頭の容量をアップ、性能アップしないとついていけない感じがします。
    頭だけではいけないのかもしれませんが・・・。

    Re: さわやかな朝日が昇っています

    > 夜勤が終って帰宅するとき、朝日がきれいでした。
    >
    > ”時間軸だけでなく、存在感と空間の広がりが感じられる言葉でしょう?”
    > 常住という言葉は、一般的ではないです。
    > 初めて知った言葉です。教えていただき感謝です。
    > 知ると知らないでは、生き方に違いがあるようになるだろうと・・・・・
    > 漢字は、大切にしたい文字ですね。
    > 一字の中に、宇宙が感じられます。

    ★お仕事ごくろうさまです。
    看護婦さんというお仕事は、やりがいがあるでしょうが、大変なおしごとですね!
    まず、ご自分が健康でないと・・・
    いつもいつも、ご訪問いただいてありがとうございます。
    それから、以前言ってらした吾妻山、私も仕事がてら寄って見ました。
    暖かい日で、たくさんの人が楽しんでいらして、良い息抜きになりました。

    Re: たしか。

    > 確か荘子か老子に
    > 「永遠に変わり続けるものが、永遠なるものである」という意味の言葉がありました。
    >
    > 無常を我が物としたとき、永遠となれる。というか。
    >
    > 面白いですね。
    >
    > 再見!

    ★本当に面白いですね~
    生も死も、常住の観点から見れば現象なのでしょう。
    どういうときに、生の現象が起きて、またどういうときに、死の現象が起きるのか、
    最近、とっても関心があります。
    そう見れば、全ての事に、奇をてらい、見栄を張り、人と見比べる生き方は本当に無意味と思います。
    もっと自然に、ありのまま生きることがいい事なのでしょうね~~
    ご訪問ありがとうございました。

    Re: 鍵コメントの方へ 2件

    ご訪問ありがとうございました。

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    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    仏教

    昨日の一本目のブログに仏教に関する私の私見を書かせていただきました。
    ぜひご批評いただきたいと思っております。

    Re: タイトルなし

    > 無常は見慣れてますし、聞き慣れていますが、
    > 「常住」は初めて見たような気がします。
    >
    > 仏教は深く、しかも無量大数以上の広がりがあるようで、
    > 自分の頭の容量をアップ、性能アップしないとついていけない感じがします。
    > 頭だけではいけないのかもしれませんが・・・。

    ★いわゆる凡人は、肉眼の目で見ているということですね。
    仏教の中は、肉眼の目からは、もう、見えない世界の事です。
    仏には仏眼、法眼、智慧の慧眼等の眼があるそうです。

    そういえば、科学だって、肉眼では見えない世界を扱っていますよね。ナノとか。
    しかし、やはり、測れるとか、確認できるとか、の限界があります。
    一部宇宙科学等は、それを超えようとしていますが、仏教からみると箱庭?(笑い)
    所詮、科学は現象の世界を扱うのかも、おもしろいですね~~
    ご訪問ありがとうございます。

    Re: 仏教

    > 昨日の一本目のブログに仏教に関する私の私見を書かせていただきました。
    > ぜひご批評いただきたいと思っております。

    ★私ごときに、申し訳ございません。
    仏教に真正面から挑まれるその姿勢には、関心させられます。
    また、お勉強に伺いますが、つぎの、私のブログも、『不滅のもの』です! (笑い)
    よろしくお願いします。
    ご訪問ありがとうございました。

    Re: 3件目の鍵コメントの方へ

    ありがとうございました。
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    寂光ーcosmos

    Author:寂光ーcosmos
    家系・個人の運命鑑定
    東洋運命学教室を主宰

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