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    西洋的思想の欠陥はいわゆる欲望の頂点=権力の魔性を、見抜いていないのです。

    Category : 生活哲学
    さくら一番

    さくら一番





    前々回の記事『呂氏春秋』1 に

    次のようなコメントをいただきました。


    「足るを知る」・・・ということでしょうか。

    高校時代に中国の時代が地政学的に見て次に来る、

    と言っていた世界史の先生を思い出してしまいましたが、

    この時代の賢人たちが今の時代に存在していれば、

    名実ともに素晴らしい中国になっているような気がします。




    私の記事を呼んでいただいて、こう自分は理解したとコメントをくださる事は、

    本当にありがたいことです。

    世間には、さまざまの解釈が溢れていますから、

    どう解釈なさるかは本当に自由なのですが、

    なるべく読者の方ともお互いに、誤解だけは避けられればと思っています。


    なぜなら、できうれば今後もずっと当ブログの読者でいて

    いただきたいと願っているからです。(笑い)


    とくに、当ブログは、日記風の記事ではなく、

    とりあえずは哲学のジャンルですから、

    いろいろいろんな解説が出てくる方がおもしろいなぁ~と思っています。

    今後とも、よろしくおねがいします~~





    「足るを知る」・・・ということでしょうか。


    そうですね!

    老子・第三十三章 には

    勝人者力 (人に勝つ者は力有り)

    自勝者強 (自ら勝つ者は強い)

    知足者富 (足るを知る者は富む)

    強行者志有(強を行う者は志有り)  とあります。


    また同じく、四十四章には、「足るを知れば辱められず」とあり、

    自分の能力をわきまえ、天(自然)の運行の摂理を悟ったら、

    自らが「富裕である」とおなじ結果になると説いています。



    仏教がインドから中国へ伝わって道教の影響を受けたもので、

    禅宗の石庭のある竜安寺にあるつくばいに彫られているのでも有名です。





    一般的には、「足るを知る」ということは、

    もっともっとと、足りないものを求めるのではなく、

    今すでにあるものでよし(足る)とする。  と理解されているようです。


    この内容では、なんとなく解ったようで解らない、、、そう思われませんか?



    もしか、これを教訓的に言われた場合、何となくイヤ~ナ、(笑い)

    お説教じみて聞こえるのは、なぜでしょうか?

    なんとなく消極的で、身の程をわきまえなさい! て言うような、、、


    むやみに不満を持たない。

    適当なところで自分の欲望を棄てなさい。 みたいな、、、

    戒律的で、小乗教的で、あきらめモードに入るみたいな、、、(笑い)

    なんとなく解っているけれど、元気がでないみたいな、、、


    これらの解釈から生じる不満?は、

    私達の西洋的思考の癖から起こってくるのです。

    今までにも、この点は何度も書いてきましたが、

    東洋的思考と西洋的思考は、右と左ほども違います。

    東洋の全体智を、西洋的分析、分断、細切れ思考で理解をしようとしたら

    部分的に解ったつもりになりますが、全体を捨ててしまうのです。

    いけません!

    西洋的思考は、最後は言葉の最小単位の単語の羅列、

    それをつないだだけの知識の羅列になってしまいます。



    それで、解ったように、『なんだ~、こんな事!』あるいは、『むずい~』

    と、偏見で終ってしまったら、それは、どちらも間違いです。

    本当にもったいない~  くれぐれも注意しましょうね!


    東洋の文献を読むなら、頭の中を東洋的に馴らしてから、、、です。




    西洋的思考の癖は、自分と自分の外側(環境)を対立的に捉えます。

    例えば、今のままの自分の状況は不安、焦り、恐怖、だから

    自分のそういう状況を乗り越えるために、

    自分の内なる欲望を満足させるには、

    自分の環境や人間関係・現象を変えることで満足しよう、

    幸せになろうとするのですね。


    自分の不安、焦り、恐怖、などを、

    自分に『足りない』ものを、

    自分が主体で、対する相手を変えて手に入れようとする解決方法です。


    (鯨のシーシェパード、まぐろ、等の問題のように西欧の今も変わらぬ解決方

    法です。自分の価値観を相手に押し付けてくるわけです。)


    最後は、相手を否定してまでも自分の主体を守ろうとするわけです。

    そこに、戦争の正当化などがあります。

    はっきりいいますと、西洋的思想の目指す目的地は、欲望の満足の天界な

    のですから、西洋的思想の欠陥はいわゆる欲望の頂点=権力の魔性を、

    見抜いていないのです。

    思想内で、魔性を見抜き、淘汰できていない、解決できていないのです。


    自己のエゴイズムを乗り越えていない、エゴイズムの力の肯定まで、


    だから敵陣を倒し、未開を拓くエネルギーには、満ち溢れていますが・・・




    だから、そのエネルギーを、もうその辺で止めて!

    それ以上の欲は持たないで! 

    『足るを知る、よ!』と、ストップをかけられているようにとれば、

    そうかもしれないけれど、なにか、縮みなさい!と言われているようで、

    フラストレイションが残る可能性もありますね。

    限界を作られるようで、一時的に無理無理、行動は、ストップできても、

    自分の内側では満足できないというエネルギーの余っている人には、

    不満が残りますから、幸福感がないのですね。

    東洋の知恵の本当にいい言葉なのに、西洋的思考で解釈したら、

    広まらないわけです。勿体無いです。

     



    この現代の西洋的思考の癖の解釈に対して、

    わが東洋的思考の解釈は、

    相手や環境を変えないで、

    逆に、環境に振り回される自分を捨てるところから始まります。

    自分を変える事から、その波動で周りも幸せになれるという考え方です。


    自分のやる気を縮める思考じゃなくて、足るを知るっていうのは、

    『今のままの自分でいい』とまず自分を認める所から出発する事です。

    本当の自分の確認です。

    家柄だって鳩山さんに負けるし、力も見かけもよくないし、学歴だって、、、、、

    そういう自分を、他と比べることなく、人より勝ろうと見栄を張らず、

    そういう相対的な価値観を恐れない、焦らない、臆病でない自分の確認です。

    与えてもらった命に感謝をし、健康な体を大事に、自分の現在に自信を持ち、

    けっして、他と比べて卑屈にならない、うぬぼれない。

    今ある自分の全てが、自分にとって丁度なもの、という肯定と感謝をする。



    それが、『足るを知る』という本質ではないかと思います。


    自分を深く見つめる、そして、環境(情報やマスコミ)に振り回されないで、

    本当の自分が望むことを見つめて捜すという作業です。



    そして、それを見つけたら、心を込めてそれに打ち込む。

    という、とてもエナジーに溢れた状態のことだと思うのです。

    その上で、やりたいことを存分にやることなのでしょうね。



    他人と自分を比べたり、競争したりする事が、まったく必要ないし、

    そうすれば、幸福感がいっぱい満ち溢れてくるでしょう! (笑い)

    その時の欲は、自分サイズの欲で、欲の達成に人を巻き込まないのです。

    自分サイズが大きいか? 小さいのか? 決めるのは自分です。


    欲が多い人というのは、自分の不安、焦り、恐怖、を誤魔化す為に、

    周りの人を巻き込んでいく事が多いです。

    例をあげると、堀江モンのライブドアの一件、政治家や官僚の贈収賄など、

    それが一時的に派手に映って、勢いがあると、

    ”ああいうのがいいのかなぁ~”と周りに誤解を与えてしまう事もあるでしょう。


    老子も、

    欲の多い人は、世間に害を与えることが大きいと指摘しています。




    一番大人が気をつけなければいけない事は、

    子供に、競争が生きる目的だなんて教えないことです。


    生きることが競争だと思う大人になったら、

    競争に勝つためには、環境に何をしてもいいと思う人間になります。

    自然も破壊します! 人も無視します! 最後は孤立します・・・

    どんなに力があってもそれでは、幸せな人間にはなれないのです。







    又、中国の時代が地政学的に見て次に来る、

    そのとおりだと思いますよ。

    その先生は、確かな目を持っていらっしゃったのですね!

    特に、

    地政学的に、という単語が、光って見えますね!

    と言いますのは、中国ならではの地政学的特長が、

    エジプトやメソポタミアやインダスの文明とは違う、黄河文明を生み、


    なぜ、西洋的思想より優れたより本質的な東洋思想が生まれたのか、

    いつか、この事について書きたいと思っていたからです。

    また、いつか、お待ちくださいね。





















    -----------------------------------------*・・+"*☆★☆." 
    記事は無断転用なさいませんように、お願いします。

    [一部、版権]がございます。権利は放棄しておりません。

    どうぞ宜しくお願いします。



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    テーマ : 哲学/倫理学
    ジャンル : 学問・文化・芸術

            

    Comment

    井戸の深さのような・・・

    深さという言葉が、東洋的思考にはぴったりですね!

    >本当の自分が望むことを見つめて捜す
    うわぁ~、簡単に言うけれど、宇宙の中から捜すような難しさ、
    ワクワクする興味も感じます。
    自分を見つめて、、、つまりは、宇宙の中の自分を捜すのでしょうか? (笑い)
    西洋と東洋の違い、立て分けた説明に納得しました!

    こんにちは!

    >環境に振り回される自分を捨てるところから始まります。

    書かれている事は、さらりと爽快感があります=
    でも、ここが、難しいところでしょうか=

    >本当の自分が望むことを見つめて捜すという作業です。

    ここも、難しい作業ですね=
    かなりの修行がいるような気がします= 

    夜回り~

    まだまだ早春の夜、冷えます。
    足るを知るとは、自己発見ですな!
    究極のエナジーの環で、無駄がありません。


    「足るを知る」だけで、これだけ話題が広げられるのですね・・・すごいです!
    また、今の自分を肯定し、感謝するところから始まるって、何だか心理学の講義みたいです。

    余談ですが、現在「地政学的・・・」と言った先生は、高校の校長になっているそうです。

    Re: 井戸の深さのような・・・

    > 深さという言葉が、東洋的思考にはぴったりですね!
    >
    > >本当の自分が望むことを見つめて捜す
    > うわぁ~、簡単に言うけれど、宇宙の中から捜すような難しさ、
    > ワクワクする興味も感じます。
    > 自分を見つめて、、、つまりは、宇宙の中の自分を捜すのでしょうか? (笑い)
    > 西洋と東洋の違い、立て分けた説明に納得しました!

    ★ご訪問ありがとうございます。---+"*☆★
    宇宙の中から捜す! あははっ~ そうかも? 
    今の時代、どんなに学問が進んでも宇宙と心の中は、未知のままです!
    未知の冒険に行ってきて下さい!! 納得していただいた~だけでうれしいです!
    いつも、変わらぬ友情に感謝します。

    Re: こんにちは!

    > >環境に振り回される自分を捨てるところから始まります。
    >
    > 書かれている事は、さらりと爽快感があります=
    > でも、ここが、難しいところでしょうか=
    >
    > >本当の自分が望むことを見つめて捜すという作業です。
    >
    > ここも、難しい作業ですね=
    > かなりの修行がいるような気がします= 

    ★ご訪問ありがとうございます。---+"*☆★
    いつもまじめなhorinoriさんの姿勢に、感心させられています。
    変わらぬ思いやりに、感謝申し上げます。

    Re: 夜回り~

    > まだまだ早春の夜、冷えます。
    > 足るを知るとは、自己発見ですな!
    > 究極のエナジーの環で、無駄がありません。

    ★夜回り、ご訪問ありがとうございます。---+"*☆★
    打てば響いてくださり、ありがたいことです~~ (笑い)
    いつもお心を掛けていただきありがとうございます~

    Re: タイトルなし

    > 「足るを知る」だけで、これだけ話題が広げられるのですね・・・すごいです!
    > また、今の自分を肯定し、感謝するところから始まるって、何だか心理学の講義みたいです。
    >
    > 余談ですが、現在「地政学的・・・」と言った先生は、高校の校長になっているそうです。

    ★ご訪問ありがとうございます。---+"*☆★
    コメントで切っ掛けを作ってくださると、そこから書くのが楽で助かります!(笑い)
    またまた、利用させてくださいね! 
    >余談ですが、、、このように教科書の常識に囚われず、ご自分の見識を持っていらっしゃる先生だったのでしょうね~~

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    Author:寂光ーcosmos
    家系・個人の運命鑑定
    東洋運命学教室を主宰

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